こんにちは。岸本みずきです。
今日は前回のつづきです(→毒親に刷り込まれた記憶)
亡くなった父親の確認に、警察へ行った話のつづきです。
通された部屋は、取調室。
窓のない薄暗い部屋には、薄いビニールが張ってあるだけの丸イス。
たぶん何度も机を叩いたことで、4本の脚がグラグラになったと思われる机。
(ほら、よくTVでやってる「お前がやったんだろう!バーーーン」みたいな感じ?)
そして机の上には、ベコベコに凹んだ銀色の灰皿。
(何度も投げたり、灰皿でしばかれたり、、、取調べの様子を勝手に想像)
悪いことはしてないけど、取調室に通されると犯人にでもなった気分?
思わず「カツ丼ください」って言いたくなるような、、、(笑)
冗談はさておき、入ってきたのは女性の警察官。
こっちのソワソワした様子を察したんでしょうね、開口一番、
「すみませんね、こんな部屋しか空いてなくて」
と申し訳なさそうにおっしゃっていました。
話がひと通り終わって、いよいよ霊安室へ。
20年ぶりの再会。
そこには、私の記憶からかなり年をとって少しふっくらした顔つきの男性。
たしかに父親でした。
でも顔を見た瞬間、涙が出てきたんです。
自分でもよくわからないけど、おだやかな顔で眠ってる父親を見て
「もしかして悪い人じゃなかったかもしれない」って。
父親が大声を出して暴れている光景は今でも覚えてるけど、お酒を飲んでない時は
おとなしい人で、仕事もまじめに行ってはった。
(私が避けていたので)話すことはほとんどなかったけど、暴力をふるわれたことも、
ひどいことを言われた記憶もない(それを考えると母親の方がひどかった)
父親にしてみれば、家の中は居場所がなかったのかもしれません。
実際、休みの日は外で自転車を磨いてるか、近所の喫茶店で過ごす。
(私が喫茶店好きなのは、父親譲りなのかも)
そんな父親が気の毒に思えてきて、ちゃんと供養しよう、と。
後日、手続きに父親の住んでいた管轄の役所へ行くと
「お父さんは自分には息子がいるっていうてはったよ」
年をとって、結構記憶があいまいになってたらしいけど、私、息子やったん?
ま、自分の気性を考えるとまんざら間違いでもないかも(笑)
役所の帰り、父親がよく行ってたと職員の方に教えてもらった喫茶店でコーヒーを飲んで
帰りました。
小さいときに親に刷り込まれた記憶ってこわい。
最後の最後に後悔することなく、ちゃんと供養することができてホントによかった。
そろそろ命日、秋らしいシャレたお花でも買ってこようっと。